新レイヤー1「Converge」、今夏までにメインネット公開か

分散型金融（DeFi）プロトコルEthenaとトークン化企業Securitizeは17日、共同で開発した新しいブロックチェーン「Converge」を、2025年第2四半期末までにメインネットローンチを目指すと 発表した。

同ネットワークは当初、100ミリ秒のネイティブブロックタイムで設計され、2025年第4四半期までには50ミリ秒への短縮を目標とし、2025年中に毎秒10億ガス単位（1ギガガス）以上の処理能力を目指す。

また、同ネットワークのテストネットは、間もなく公開される見込みだという。

現実資産とDeFiを繋ぐ「Converge」

Convergeは、トークン化された現実資産（RWA）と DeFi アプリケーションを、単一の規制準拠インフラ内で統合することを目指す。

SecuritizeとEthenaは、BlackRock、Apollo、Hamilton Laneなどの大手資産運用会社を含む、機関投資家分野の強力なパートナーやクライアントとの連携をConvergeにもたらす。

統合されたエコシステムには、BlackRockのマネーマーケットトークンBUIDLやApolloのクレジットファンドトークンなどが含まれる。

Convergeは、許可制のRWAアプリケーションと許可不要のDeFiアプリの両方をサポートする。

株式、債券、マネーマーケットなどの伝統的な金融商品をトークン化し、取引したり、DeFiプロトコル内で担保として使用したりすることが可能になる。

初期のパートナーには、Pendle、Avara（Aave Labsの親会社）、Ethereal、Morpho、Maple Financeといった著名なDeFiプロジェクトが含まれており、強力なエコシステム連携を示している。

EthenaのUSDeエコシステムは既に約60億ドル（約8,580億円）のDeFi資産を管理しており、Convergeは機関投資家向けDeFiサービスを拡大するための自然な進化形プラットフォームとして位置づけられている。

Securitizeのトークン化における専門知識と、注目度の高いトークン化ファンドのトランスファーエージェントとしての役割は、Convergeの信頼性と主流金融プレーヤーへの魅力を強化する。

ArbitrumとCelestia技術を活用

同ネットワークは、高い処理能力を持つ イーサリアム（ETH） 互換のブロックチェーンとして設計されている。

また、Arbitrumのレイヤー2スケーリングソリューションとCelestiaのデータ可用性レイヤーを活用する。

そのため、既存のイーサリアムベースのスマートコントラクトや分散型アプリケーション（dApps）と同等の開発環境を提供しながら、トランザクション処理能力を最適化やデータストレージコストを削減が可能だ。

ENAトークンとステーブルコインによる決済

Convergeネットワークのセキュリティは、EthenaのネイティブガバナンストークンであるENAによって支えられている。

伝統的な金融機関や中央集権型取引所で構成される許可制のバリデーターセットが、sENAを通じてENAトークンをステークする。

これらのバリデーターはConverge Validator Network（CVN）を形成し、緊急時のプロトコルフェイルセーフ機能やガバナンスの監視を提供する。

また、取引手数料（ガス代）については、米ドルに1対1でペッグされたEthenaの合成ドルUSDeと ステーブルコイン USDtbで手数料を支払うことができる。