韓国、海外の仮想通貨取引所14社のApple Storeをブロック

韓国当局が海外の仮想通貨取引所14社のApple Storeをブロック

韓国FSC （Financial Services Commission：韓国金融委員会）傘下の FIU （金融情報機関）は、AppleのApp Storeで14のモバイルアプリへのアクセスをブロックすることで、規制措置を 強化 した。

これらのアプリは、クーコイン（KuCoin）やMEXCなどの取引所を含む、未登録の外国VASP（仮想資産サービスプロバイダー）によって運営されていたものだ。韓国では、当 NEXTMONEY の2025年3月27日付特集記事「 韓国、グーグル（Google）に17の無認可外国仮想通貨取引所のブロックを強制 」で報じたように、FIUがGoogleと協力し、Google Play Storeで17の未登録仮想通貨アプリをブロックしたばかりだ。

なお、FSCは公式ウェブサイトで登録VASPのリストを公開しており、ユーザーに対して取引前に遵守状況を確認するよう促している。

韓国の仮想通貨規制はどれほど厳しいのか

韓国は、仮想通貨業界を含む厳格な金融規制で知られており、国民にサービスを提供するすべてのVASP（仮想通貨サービスプロバイダー）は、特定金融取引情報報告および利用法（FIIT）に基づき、FIUへの登録を義務付けている。

登録を怠ると、最高5,000万ウォン（約500万円）の罰金、または最長5年の懲役を含む、巨額の罰則が科せられる可能性があります。

韓国当局は、アプリのブロックは、同国内における未登録プラットフォームの運営を抑制することを目的としており、これらの制限と規制はすべて、法執行機関がマネーロンダリング（資金洗浄）を防止し、投資家を保護し、市場の健全性を維持するための手段である。

仮想通貨企業が直面するコンプライアンス上のハードル

FIUによる規則の監視と執行は、すぐには終わらない可能性が高く、現在、仮想通貨取引所を利用するには、実名制の銀行口座を用いてアカウントを認証する必要がある。

一方、取引所は強力なAML（マネーロンダリング対策）とKYC（顧客確認）プロトコルの導入が義務付けられている。VASPは、韓国インターネット振興院からISMS認証を取得し、FATF（金融活動作業部会）のガイドラインを遵守する必要がある。これは、VASPが100万ウォン（約10万円）を超える仮想通貨の送金元と受取人に関する特定の情報を収集・共有しなければならないことを意味する。

さらに、韓国では機関投資家による仮想通貨取引が禁止されているが、今年中に段階的に制限を撤廃する計画も。この段階的な導入により、非営利団体、大学、法執行機関、上場企業が仮想通貨の取引ができるようになる。

アジア最大級の仮想通貨市場の一つである韓国による無許可の仮想通貨取引所への取り締まり強化は、世界的な前例となる可能性があり、近隣地域に影響を及ぼすことが考えられる。