アバランチ、24時間比で5％安｜ETF期待先行も価格は軟調

アバランチ（AVAX）の価格は29日、グレイスケールによるETF申請が行われるも市場の反応は冷ややかで、24時間比で5.3% 下落している 。

グレイスケールETF申請の詳細と期待

グレイスケールは3月27日、米国証券取引委員会（SEC）に アバランチ（AVAX） ETFの申請を提出した。

Nasdaqが19b-4フォームを提出し、上場と取引に向けた手続きが開始されている。

先駆けてヴァンエク（VanEck）が3月上旬に同様の申請を行っており、グレイスケールは2番目の動きとなる。

同社は既存のアバランチ・トラスト（2024年8月開始、運用資産約176万ドル）をETFへ転換する計画を進めており、機関投資家に規制下でのAVAX投資機会を提供する狙いがある。

一部専門家は、リップル（XRP）、ソラナ（SOL）、ドージコイン（DOGE）、カルダノ（ADA）など アルトコイン ETF申請の波がSECに押し寄せている点を挙げ、新体制下での規制緩和期待が背景にあると指摘する。

現職のマーク・ウエダ代理議長や次期議長候補ポール・アトキンス氏が、暗号資産（仮想通貨）業界への明確な規制枠組みを優先事項に掲げる姿勢も、この流れを後押ししている。

これにより、AVAXには機関投資の流入や市場流動性向上が期待される材料が揃ったかに見えた。

市場の冷淡な反応と下落要因

しかし、29日の価格動向は期待を裏切り、5.3%の下落を記録した。

SEC承認プロセスには最大90日を要するため、即時的な影響が限定的であるとの見方が支配的だ。

さらに、市場全体の調整圧力や、 ミームコイン 主導の短期的な値動きにAVAXが巻き込まれた可能性も否定できない。

グレイスケールの申請は中長期的な強気材料となり得るが、現在のセンチメントではその効果を発揮しきれていない。

グレイスケールによるETF申請は、AVAXにとって機関参入の足がかりとなり得る重要な一歩だ。

しかし、足元の5%超の下落は、市場が短期的にはこのニュースを織り込む余地が乏しいことを示している。

規制動向や市場全体のトレンドが明確になるまでは、価格へのポジティブな影響は限定的にとどまると推測される。

【3月29日最新】アバランチ（AVAX）の価格分析

出典： TradingView AVAX/USD 週足 (2023年～現在まで)

週足チャートを見ると、アバランチ（AVAX）は2023年12月の ビットコインETF 承認を起点に長期的な上昇トレンドを確立した。

この時期、価格は20ドルから一気に60ドル超へと急騰し、2024年初頭にかけて勢いを維持。

しかし、その後の調整を経て、大統領選後の楽観ムードで50ドル台まで回復したものの、上昇力は失速している。

足元では、100週移動平均線と主要サポートラインを明確に下抜け、弱気な展開が進行中だ。

この下抜けは、2023年以降の強気構造が崩れつつあることを示唆する。

出典： TradingView AVAX/USD 日足 (2024年11月～現在まで)

日足チャートに目を移すと、1月下旬に移動平均線のデッドクロスが形成され、短期的な売り圧が優勢となっている。

現在の価格は20ドル付近で推移しており、安値方向への動きを強めている。

15ドルまでの下落余地が現実的であり、日足実体でこの水準を明確に下回れば、調整が加速し、10ドル近辺への一段安が想定される。

反発シナリオでは、25ドル付近が直近の高値として抵抗線となり、ここを突破できなければ上値は重いまま推移するだろう。

出来高を見ると、売り圧が買い手を上回る状況が続いており、短期的な底打ちサインはまだ見られない。

アバランチ（AVAX）相場の要点

• 週足での100週移動平均線下抜けと日足のデッドクロスが重なり、15ドルへの下落が現実的なシナリオ。さらなる下値として10ドルが視野に入る。
• 25ドル付近が主要レジスタンスとして機能。反発が試される場合、この水準の突破が強気転換の条件となる。

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