チェコ国立銀行理事、ボラティリティの懸念からビットコイン準備金に懐疑的

チェコ国立銀行理事はビットコイン準備金に懐疑的

チェコ国立銀行のヤン・クビチェク（Jan Kubicek）理事は、ビットコイン（Bitcoin/BTC）を銀行の準備金に加えることに懐疑的だ。

チェコ中央銀行の準備金におけるビットコインの位置付けをめぐる議論は依然続いており、チェコ国立銀行理事は、銀行の多額の準備金にビットコインを加えることに「懐疑的」だ。同理事は、法的問題の可能性とデジタル通貨のボラティリティについて警告しており、代わりに国際社債とターゲット株価指数に焦点を当てることを提案している。

ビットコイン準備金を受け入れるケースが増えていく中、CNBのエヴァ・ザムラジロワ（Eva Zamrazilova）副総裁は、ビットコインは準備金として適していないと述べている。ECB（欧州中央銀行）のクリスティーヌ・ラガルド（Christine Lagarde）総裁は、ビットコインは欧州の中央銀行での使用には不適切であると述べたほか、他の高官もビットコインの準備金を批判しているのも現状だ。

今年（2025年）初め、CNBのアレシュ・ミヒル（Aleš Michl）総裁は、銀行の準備金資産の多様化に関するより広範な分析の一環としてビットコインを検討することを提案。しかし、クビチェク理事は、焦点は国際社債とターゲットを絞った株式指数に置くべきだと考えており、次のように 述べて いる。

われわれは、さまざまな資産クラスを評価する。ビットコインはその1つにすぎない。私の立場はビットコインに対してかなり懐疑的だ。

クビチェク理事がビットコイン準備金に懐疑的な理由

懐疑的な理由として同理事は、ビットコインの法的地位、直接所有、ボラティリティなど、ビットコインの問題をいくつか挙げており、デジタル資産の法的地位と直接所有には、会計や監査などの分野で多数の新しい手順を作成する必要があると主張している。

さらに、ボラティリティに関しては、市場価格の変化を評価するのは難しいと述べており、今後数年間のビットコインのボラティリティが過去10年間に観察されたパターンを反映するかどうかは確信できないと述べている。同理事は、より多くの機関投資家がビットコインを投資資産として受け入れれば、これまで誰もが見てきたものとは異なる動きを始めるだろうと予想。

また、チェコ国立銀行が10月までに新たな資産クラスの研究を開始する可能性がある事を明らかにした。同氏は、国際社債の保有や、テクノロジーや不動産投資ファンド向けなど、よりターゲットを絞った株式指数への投資の可能性を検討することを提案した。