PayPal2025年ステーブルコイン拡大計画とは【決済システム革新】

PayPalは、2025年までに独自のステーブルコイン「PayPal USD（以下PYUSD）」の採用を大幅に拡大する計画を進めています。
この取り組みは、ブロックチェーン技術を活用した新たな金融サービスの提供を目指すものであり、既存の決済システムを革新する可能性を秘めています。

PayPalとは？

PayPalは、オンライン決済サービスの一つで、個人や企業が安全にお金を送受信できるプラットフォームです。
為替手数料や一部の取引手数料が高めで日本ではまだ仮想通貨の送受信に対応しておらず一部の店舗でしか使えないものの、海外通販やフリーランスの支払い、個人間送金等に便利なサービスです。
現在アメリカのビジネスアカウント向けにビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ビットコインキャッシュ（BCH）、ライトコイン(LTC)といった一部の仮想通貨の送受信に対応していることで、外部ウォレットや取引所との間で仮想通貨を転送することが可能となるサービスが提供されています。

Paypal4つの特徴

1.簡単・安全な決済

クレジットカード情報を直接店舗に伝えずに決済可能です。

2.世界中で利用可能

200以上の国と地域で使えます。

3.送金・受取機能

個人間の送金やECサイトでの支払いが可能

4.バイヤープロテクション

購入した商品が届かない場合の補償制度あり

PayPalのステーブルコイン「PYUSD」とは？

PYUSDは、PayPalが発行する米ドルに連動したステーブルコインで、ブロックチェーン上での取引を可能にします。
これにより、ユーザーは従来の決済手段に加え、暗号資産を利用した迅速かつ低コストの取引が可能となります。
PayPalは、PYUSDを通じてブロックチェーン技術の利点を最大限に活用し、ユーザーエクスペリエンスの向上を図っています。

企業間取引へのPYUSDの活用

2024年10月、PayPalは監査法人であるErnst Young LLPへの支払いにPYUSDを使用しました。
この取引はSAPが提供するハブを介して行われ、企業間取引（B2B）におけるステーブルコインの実用性を示す重要な事例となりました。
このような取り組みにより、企業間の決済プロセスが効率化され、コスト削減や取引速度の向上が期待されています。

他の金融機関との連携と市場拡大

PayPalだけでなくVisaなどの大手金融機関もステーブルコインの導入に積極的です。
Visaは、法定通貨とブロックチェーンをつなぐ「Visa Tokenized Asset Platform（VTAP）」を開発し、2025年の稼働開始を予定しています。
このプラットフォームにより、銀行は法定通貨に裏付けられたトークンやステーブルコインの発行・管理が可能となり、デジタル資産の普及がさらに進むと期待されています。

日本国内での動向

日本では三菱UFJフィナンシャル・グループ（MUFG）が、法定通貨を裏付け資産とするステーブルコインの発行に向けて、複数の国内外企業と準備を進めています。
具体的なコイン名はまだ公表されていませんが、MUFGは独自のブロックチェーンプラットフォーム「Progmat」を活用し、ステーブルコインの発行を計画しています。

まとめ

各国でステーブルコインに関する法整備が進む中、PayPalや他の金融機関は自社ブランドのステーブルコイン発行を計画しています。
PayPalのPYUSD導入は、ブロックチェーン技術と伝統的な金融サービスの融合を象徴する動きであり、金融業界全体に大きな影響を与える可能性があります。
ユーザーにとってはより迅速で低コストの取引手段が提供される一方、企業間取引の効率化や新たなビジネスモデルの創出も期待されます。
今後、PayPalをはじめとする主要企業の動向に注目が集まるでしょう。