米SECがOpenSeaの調査を終了、CEOはイノベーションの勝利とたたえる

米SECがOpenSeaの調査を終了

SEC （米国証券取引委員会）はNFTマーケットプレイス OpenSea に対する調査を正式に 終了した 。

The SEC is closing its investigation into @opensea . This is a win for everyone who is creating and building in our space. Trying to classify NFTs as securities would have been a step backward—one that misinterprets the law and slows innovation.

Every creator, big or small,…

— dfinzer.eth | opensea (@dfinzer) February 21, 2025

この決定を受け、OpenSeaのデビン・フィンザー（Devin Finzer）共同創設者兼CEO（最高経営責任者）は「Web3業界全体にとっての大きな勝利」とコメントし、イノベーションを阻害する規制の見直しが必要であると強調した。

SECは2023年から、OpenSeaが未登録証券を取引していた可能性について調査を進めていた。NFT市場の急成長に伴い、特定のNFTが証券とみなされる可能性があるとして、OpenSeaを含む複数のNFT関連企業に対して監視を強化していた。特に、NFTのプライマリーマーケットでの販売や、二次流通市場でのロイヤルティの仕組みが、証券法に違反する可能性があるとして注目されていた。

調査終了の背景と判断

2025年2月、SECはOpenSeaに対する調査を終了し、法的措置を取らないことを決定した。

SECの関係者によると、同社の事業モデルが現行の証券法の枠組みに該当しないと判断されたことが背景にあ同CEOは、「この決定はWeb3業界にとって重要な意味を持つ」と述べ、過度な規制がイノベーションを妨げることへの懸念を改めて強調した。調査中、OpenSeaはSECと協力しつつ、事業モデルの透明性を確保するための施策を強化していた。具体的には、NFTの販売・流通におけるルールを明確化し、規制当局との連携を強める方針を示して同CEOは次のようにコメントしている。

Web3の発展には、適切な規制の枠組みが必要だが、それがイノベーションを妨げてはならない。

同CEOは、今後も市場の発展と規制のバランスを取りながら、健全なNFT市場の構築を目指す姿勢を示した。

市場の反応と業界全体への影響

SECの調査終了を受け、NFT市場は安堵（あんど）のムードに包まれ、特に、他のNFTマーケットプレイスやプロジェクトに対する過剰な規制の懸念が和らいだことは、業界全体にとってポジティブな要素となっている。

また、一部の仮想通貨アナリストは、「SECのこの決定が今後のNFT規制の指針となる可能性がある」と指摘。これにより、Web3プロジェクトがより積極的に活動しやすい環境が整うことが期待されている。

SEC決定がもたらすNFT業界の未来

SECの今回の決定により、NFT市場に一定の安定感がもたらされたが、規制の枠組みが確立されたわけではなく、今後もSECや他の規制当局が新たなルールを策定する可能性がある。

一部の専門家は、NFTが完全に非証券として扱われるわけではなく、特定の機能や販売手法によっては証券として分類されるリスクが残ると指摘している。そのため、企業は規制動向を注視しつつ、透明性の確保や法的リスクの軽減を図る必要がある。OpenSeaの調査終了は、他のNFTプラットフォームやWeb3企業にとっても好材料となる。過度な規制による事業制限の懸念が和らぎ、より自由な市場環境のもとで事業展開を進めやすくなると期待されている。

業界関係者の間では、SECのスタンスが明確になったことで、新たな投資の流入も予想される。規制当局とWeb3企業の対話が進むことで、持続可能な成長の基盤が整うことが求められている。