ドナルド・トランプ大統領、デジタル税への報復関税を課す覚書に署名

ドナルド・トランプ大統領がデジタル税を課す覚書に署名

米国のドナルド・トランプ（Donald Trump）大統領は、米国のテクノロジー企業にデジタルサービス税を課す国に関税を課す覚書に署名したとホワイトハウス当局者の話を大手メディア ブルームバーグ が報じている。

トランプ大統領は、米国のハイテク企業に影響を及ぼすデジタルサービス税に対する貿易救済策を指示しており、デジタルサービスに対する国際関税は、世界の仮想通貨事業に影響を及ぼす課税政策を再構築する可能性がある。

同大統領は、インターネット関連サービス大手グーグルの親会社Alphabet（アルファベット）やMeta（メタ、※旧Facebook）、Apple（アップル）、Amazon（アマゾン）を含む米国のハイテク企業を標的とする外国のデジタルサービス税に対する貿易救済策を策定するよう米国通商代表部に指示する覚書に署名する準備をしていると、ブルームバーグの報道で判明。この取り組みは、フランス、英国、カナダを含む約30カ国が実施している、米国が差別的と考えるデジタルサービス税に対処するものだ。

米国は税基盤を自国利益のための流用を阻止

今命令の詳細を明かした別の当局者は、同大統領が、外国政府が米国企業に課すデジタルサービス税、罰金、慣行、政策に対抗するため、関税などの対応策を検討するよう政権に指示していると述べ、当局者は次のように語っている。

トランプ大統領は、外国政府が米国の税基盤を自国の利益のために流用することを許さない。

この覚書は、米国通商代表部に対し、トランプ政権の最初の任期中に開始されたデジタルサービス税の調査を再開し、“米国企業を差別するために”デジタル税を使用する追加の国を調査するよう指示している、と当局者は述べた。トランプ大統領は先日、カナダとフランスのデジタルサービス税をめぐって関税を課すと述べている。

ホワイトハウスは、カナダとフランスが税金を利用して米国企業からそれぞれ年間5億ドル以上を徴収していると不満を述べ、当時ホワイトハウスが発表したファクトシートには「米国企業に課税できるのは米国のみであるべきだ」と記載されており、次のように述べている。

全体として、これらの非相互的な税金は米国企業に年間20億ドル以上の損害を与えている。相互関税は、ゆがんだ国際貿易システムに公平性と繁栄を取り戻し、米国人が不当に扱われることを防ぐだろうた。

規制の進化による監視と納税義務が増加する可能性も

デジタルサービス税に関する規制の進化により、仮想通貨ビジネスに対する監視と納税義務が増加する可能性がある。

国境を越えて事業を展開する企業は、政府が税制を世界基準に合わせ、デジタル取引に新しい関税を導入するにつれて、新たなコンプライアンスの課題に直面する可能性があり、これらの追加費用は、市場の拡大を妨げたり、取引所がユーザーにコストを転嫁することを余儀なくしたりして、取引活動を減らす可能性がある。

以前の貿易政策はすでに暗号通貨セクターに影響を与えている。2025年2月1日の時点で、同大統領がメキシコ、カナダ、ヨーロッパからの輸入品に関税を課すと発表。その結果、仮想通貨市場では清算の波が巻き起こり、同月3日仮想通貨市場では今年最大の清算イベントが発生し、24時間でレバレッジポジションから20億ドル（約2,985億円）以上が消失している。