SEC、コインベース訴訟取り下げ｜仮想通貨市場に追い風

米証券取引委員会（SEC）は21日、暗号資産（仮想通貨）取引所大手コインベースへの訴訟を 取り下げた 。

SECは2023年6月、 仮想通貨取引所 コインベースが取り扱う13種のトークンを「証券」と認定し提訴した。この訴訟により、コインベースは3億3,000万ドル（約495億円）以上の法的費用を負担することとなった。

規制姿勢の転換が鮮明に

ゲイリー・ゼンスラー前委員長の退任後、SECの仮想通貨規制に対する姿勢は大きく転換している。 バイナンス への訴訟も一時停止となるなど、業界全体への規制圧力が緩和される傾向にある。

この規制緩和の流れは、2024年1月の ビットコインETF 承認にも表れている。ETF承認により機関投資家からの資金流入が加速し、仮想通貨市場全体の活性化につながっている。

コインベース株価とビットコイン価格の上昇

訴訟取り下げの検討が報じられると、コインベースの株価は大きく反応した。同社の株価は過去6ヶ月で133%上昇しており、訴訟関連費用の削減期待が投資家心理を後押ししている。

また、コインベースは2023年第4四半期決算で初の黒字転換を達成。ビットコインETF承認による取引高の増加が、業績改善の追い風となっている。

業界全体への好影響

市場関係者からは、今回の動きを受けて「規制コード」の制定への期待が高まっている。明確なルール作りが進めば、仮想通貨市場の健全な発展につながるとの見方が強まっている。

SECの最終承認はまだ待たれるものの、仮想通貨業界にとって大きな転換点となる可能性が高く、今後の展開が注目されている。