米国の検察当局は、分散型金融（DeFi）プロトコル「カイバースワップ」と「インデックスド・ファイナンス」を攻撃し、約6500万ドルを不正に得たとして、カナダ国籍のアンディアン・メジェドヴィッチ氏を起訴した。

司法省は2月3日、メジェドヴィッチ氏をハッキング、恐喝未遂、マネーロンダリング、電信詐欺の罪状で 起訴した 。司法省によると、メジェドヴィッチ氏は現在も逃亡中という。

検察側の主張：DeFiの流動性プールを悪用

検察によると、メジェドヴィッチ氏は2021年10月にインデックスド・ファイナンスの流動性プールから約1650万ドルを不正に取得し、さらに2023年11月にはカイバースワップを標的に約4880万ドルを不正に取得したとされる。

「メジェドヴィッチ氏は、数億ドル相当のデジタルトークンを借り入れ、不正な取引を行い、プロトコルのスマートコントラクトが重要な変数を誤って計算するよう仕向けた」と検察は述べている。

起訴状によると、「この不正取引によって、メジェドヴィッチ氏は投資家の資金を人為的な価格で引き出すことが可能となり、その結果、被害者の投資はほぼ無価値となった」。

カイバースワップ攻撃後の恐喝未遂

カイバースワップを悪用した後、メジェドヴィッチ氏は「虚偽の和解提案」を通じて被害者を恐喝しようとしたと検察は主張している。

オンチェーンメッセージを通じて、「資金の返還交渉を遅らせる」と脅迫し、最終的には不正に取得したデジタル資産の50%を返還する見返りにカイバースワップの運営権を要求したとされる。

さらに、起訴状によると、メジェドヴィッチ氏は親族と共謀し、カイバースワップとインデックスド・ファイナンスから盗んだ仮想通貨を洗浄しようとした。

仮想通貨ミキサーやブロックチェーンブリッジを利用し、取引所で法定通貨に換金し、偽の情報を使って開設した銀行口座へ送金する計画だったとされる。

しかし、匿名のブリッジプロトコルが資金の一部を凍結したため、メジェドヴィッチ氏は、囮捜査官（ソフトウェア開発者を装った法執行機関のエージェント）に約8万5000ドルを支払い、凍結解除を試みたという。

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