大手仮想通貨資産運用会社のグレースケールが、ビットコイン（BTC）マイニングへの投資機会を提供する新たな上場投資信託（ETF）を立ち上げた。

グレースケールは1月30日、「グレースケール・ビットコイン・マイナーズETF（MNRS）」を 発表した 。この投資商品は、ビットコインマイニング企業およびマイニング関連のエコシステムに対する投資機会を提供するものだ。

このファンドは、Indxxビットコイン・マイナー・インデックスに採用されている企業に投資する。このインデックスは、収益の大部分をBTCマイニング、またはマイニング関連のハードウェア、ソフトウェア、サービス、その他のプロジェクトから得ている企業のパフォーマンスを追跡する。

グレースケールは、MNRSがデジタル資産への直接投資やデリバティブを通じた投資を行うことはないと説明している。ただし、投資先の企業を通じて間接的にデジタル資産にエクスポージャーを持つ可能性はあるとしている。

「BTCマイニング業界は大きな成長の可能性」

グレースケールの新たな仮想通貨投資商品は、ビットコインマイニング業界がBTCネットワークにとって不可欠な存在であるという認識に基づいている。

グレースケールは「ビットコインマイナーの役割は、BTCネットワークの存在と存続に不可欠である」と述べ、マイナーはネットワークのセキュリティ、整合性、機能維持において重要な役割を果たしていると強調した。

グレイスケールによれば、マイニング業界は、BTCへの直接投資に代わる手段を求める投資家や、BTCへの直接投資が難しい、または準備ができていない投資家にとって魅力的な選択肢になり得る。さらに、ビットコインマイニング企業のパフォーマンスは、BTC価格と相関があるともグレイスケールは述べている。

グレースケールのグローバルETF部門責任者であるデビッド・ラヴァル氏は、「グレースケール・ビットコイン・マイナーズETFは、投資家に対し、ビットコインマイナーとグローバルなBTCマイニング業界へのターゲット型エクスポージャーを提供する。これはパッシブ運用され、ルールベースで、指数に連動するファンドであり、業界の変化に適応できる設計になっている」と述べた。

また、「ビットコインマイナーはネットワークの基盤であり、BTCの採用と利用が拡大する中で、大きな成長の可能性を持っている。MNRSは、多様な投資家にとって魅力的な選択肢になる」と付け加えた。

マイニング株は2024年のBTCの上昇に追随できず

グレースケールのビットコイン・マイナーズETFの発表は、仮想通貨マイニング関連株が1月下旬にかけて下落基調を続ける中で行われた。これは、中国発の人工知能（AI）プロジェクト「DeepSeek」の新型AIモデルに対する熱狂による市場の急落が影響している。

グレースケールはビットコインとマイニング業界のパフォーマンスに相関があると指摘しているものの、2024年にビットコインが113%のリターンを記録する中、多くのマイニング企業の株価はその上昇に追随できなかった。

ハッシュレートインデックスとGoogleファイナンスのデータによると、上場しているマイニング企業の大半は2024年を赤字で終え、その中には最大84%の下落を記録した企業もあった。

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