トランプ大統領、共和党マーク・ウエダをSEC代理委員長に指名

SEC代理委員長にマーク・ウエダ氏を指名

就任宣誓したばかりのドナルド・トランプ（Donald Trump）大統領は、共和党員で米国証券取引委員会（SEC）委員のマーク・ウエダ（Mark Toshiro Uyeda）氏を同委員会の代理委員長に指名した。ホワイトハウスが1月21日に発表した。

ウエダ氏は、ジョー・バイデン（Joe Biden）前大統領がSEC委員長に指名したゲイリー・ゲンスラー（Gary Gensler）氏の後任となる。ゲンスラー氏は野心的な政策を掲げたことでウォール街や暗号資産（仮想通貨）業界と対立していた。

またトランプ大統領は、元SEC委員のポール・アトキンス（Paul Atkins）氏を常勤の機関運営責任者に指名する意向であると述べた。

アトキンス氏は、ウエダ氏と現SEC委員のヘスター・ピアース（Hester Peirce）氏の元同僚であり、バイデン政権が資本市場を監督した方法とは大きく異なる方向転換を行うことが予想される。

1月20日に退任したゲンスラー氏は、透明性の向上、リスクの低減、ウォール街における利益相反の根絶を目的とした数十の規則に署名した。また、SECの規則に違反していると主張する複数の暗号資産企業を提訴した。

今月、ロイターは情報筋の話として、ピアース氏とウエダ氏が今週にも暗号資産政策の抜本的な見直しに着手する見通しだと報じた。

ウエダ氏の事務所はコメントの要請にすぐには応じなかった。

2022年6月以来の共和党SEC委員であるウエダ氏は、ゲンスラー氏の規則制定と執行へのアプローチを批判してきた。

「差し迫った政権交代により、SECは投資家を詐欺師から守りつつ、資本形成とイノベーションに焦点を当てた規制アジェンダを再策定するチャンスを得ることになる」とウエダ氏は11月にロイターに語った。

ウエダ氏の任命は、暗号資産企業から歓迎されるとみられる。なぜなら、ウエダ氏は暗号資産企業がSECに登録する方法についてのガイダンスを提供していないとしてSECを批判してきたからだ。

ウエダ氏は昨年10月にフォックスビジネス（Fox Business）とのインタビューで、SECのアプローチは「業界全体にとって重大な問題」だと述べた。

SEC在任中、ウエダ氏は企業の上場を妨げる規制負担を軽減し、デジタル資産に関する明確なルールを提唱するよう求めてきた。

また、トランプ氏のメディア企業の上場を支援した特別買収目的会社との和解を含むSECの執行措置についても、定期的に承認に反対票を投じ、時には公に反対意見を述べていた。

ウエダ氏はSEC入局前、上院銀行委員会でパット・トゥーミー（Pat Toomey）元上院議員のスタッフとして勤務し、それ以前には、アーノルド・シュワルツェネッガー（Arnold Schwarzenegger）前カリフォルニア州知事から、同州の証券規制当局のトップアドバイザーに抜擢された経験も持つ。

またウエダ氏はジョージタウン大学とデューク大学ロースクールを卒業している。

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Trump taps Republican Uyeda as acting SEC chair, White House says
（Reporting by Chris Prentice and Douglas Gillison; Editing by Paul Simao）
翻訳：あたらしい経済編集部
画像：Reuters

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