仮想通貨取引所バックパック FTX EUを買収 2025年第1四半期に事業再開の予定
仮想通貨取引所バックパックは、破綻したFTXの欧州部門であるFTX EUを 買収した 。バックパックは元FTX社員らによって設立された取引所だ。
買収は米国のFTX破産裁判所およびキプロス証券取引委員会(CySEC)の承認を受けて実現したもので、これによりバックパックは欧州連合(EU)内での事業拡大を進める。
バックパックは2025年第1四半期中に「バックパック EU」としてサービスを開始する予定であり、EU域内で仮想通貨デリバティブ取引や永久先物などを提供する計画だ。同社は顧客の信頼を回復する重要なステップとして、FTX EUの顧客資産の返還を迅速かつ安全に行うと表明している。
FTX EUの買収と顧客資産の返還
FTX EUの買収は、2024年末にCySECが同社の業務停止期間をさらに6か月延長した後に決定された。この間、FTX EUは新規取引提供を禁止されていたものの、顧客資金の返還は許可されていた。
バックパックのCEOであるアルマニ・フェランテ氏は「顧客への資金返還は業界への信頼と信用を回復する上で重要な一歩である」と述べ、ライセンス再取得後の迅速なサービス再開を 目指している 。
サービス開始後には、FTX EUの既存顧客が資産にアクセスする方法や新規ユーザー登録に関する詳細情報をサポートチャネルを通じて提供するとしている。
FTX EUは、もともとスイスの企業デジタルアセットAG(DAAG)として知られており、2021年にFTXによって3億2300万ドルで買収された。しかし、2022年11月にFTXが破綻した後、FTX EUは複数の企業から注目を集めていた。コインベースもFTX EUの 買収を模索していた 。
2024年2月、FTXはFTX EUをその創設者に 3270万ドルで売却 。この売却がバックパックによる今回の買収に繋がった。
バックパックの背景
バックパックは2022年に設立され、創設者のフェランテ氏はFTXやジャンプ・クリプトから2000万ドルの資金を調達して取引所の構築を進めた。また、同氏は非カストディアルウォレットである「バックパック・ウォレット」をローンチした。
もう1人の共同創設者であるトリスタン・イベール氏は、少なくとも2年間FTXに在籍し、2022年5月に退社している。FTX破綻により、バックパックは運営資金の88%にあたる1450万ドルを失ったものの、最小限の資金で事業を継続していた。
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