ビットコイン（BTC）の2100万BTCという供給上限が本当に固定されているのかどうかについての議論が再燃している。これはブラックロックが3分間のビットコイン解説ビデオを公開し、その中で「変更されない保証はない」との免責事項を付け加えたことが発端だ。

ビットコインの固定供給量は、価値の保存手段としての強力な価値提案の1つであり、その供給が無制限になると、投資家がこの仮想通貨をどう見るかに影響を与えることは間違いない。

ブラックロックは12月17日のビデオで、ビットコインの供給が2100万枚で固定されていると説明し、「ハードコードされたルールが供給、購買力を管理し、通貨の過剰発行の潜在的な誤用を避けるのに役立つ」とのべた。しかし、「ビットコインの2100万枚の供給上限が変更されない保証はない」との免責事項も付け加えられた。

このビデオは、マイクロストラテジーの会長でありビットコインの支持者であるマイケル・セイラー氏によって共有され、一部の批評家がビットコイン（BTC）が理論的には希少ではないと指摘するきっかけとなった。

「供給上限の増加が起こるとき、それは『常に計画の一部だった』と主張されるだろう」とダッシュペイのマーケティングとビジネス開発のディレクターであるジョエル・バレンスエラ氏は 語った 。「そして今日、2024年に、人々はビットコインが乗っ取られていないと言う大胆さを持っている」とも付け加えた。

「ブラックロックはビットコインをビットコイナーよりも理解している」と仮名のイーサリアム開発者アンチプロシンセシスは のべた 。

ビットコインの2100万枚の供給上限は変更可能か

ビットコインの供給上限が変更可能かどうかは、「ビットコイン」をどのように定義するかに依存すると、ビットVMの背後にいるビットコイン開発者スーパー・テストネット氏はコインテレグラフに語った。

ノードオペレーターやコア開発者、マイナー、投資家などのコミュニティメンバーが新しいチェーンに移行するハードフォークに合意すれば、理論的には変更可能だという意見もある。開発者はまず提案を行い、コミュニティ内での議論を促し、コンセンサスがどこにあるかを確認した後に、ビットコインコアにルール変更を実装するだろう。

ハードフォークが発生し、コミュニティメンバーはどの新しいルールセットに移行するかを決定する必要がある。ノードオペレーターとマイナーの大多数が新しいフォークを支持し始め、市場シェアとハッシュレートで優位を示せば、供給が無制限の「新しい」ビットコインネットワークの下で運営することになる。しかし、スーパー・テストネット氏は、これは可能だが、結果として生じる新しいチェーンは「ビットコイン」ではないと指摘する。

「インフレーションキャップはビットコインの定義そのものだ」とスーパー・テストネット氏はのべ、サトシ・ナカモトのビットコインホワイトペーパーを指摘した。「それを排除すれば、あなたが持っているものはもはやビットコインではない。ビットコインをペイパルに変えるにはどうすればいいかを問うようなものだ」とも付け加えた。言い換えれば、「ビットコイン」の無制限供給バージョンはサトシ・ナカモトのビットコインではない。

ビットコイン 2100万BTCという供給上限は変更できるのか？ ブラックロックの動画がきっかけに議論再燃 image 0

採掘されるべきビットコインはあと109万枚残っている Source: BitBo

誰がそれを変更したいのか

ビットコインのセキュリティモデルは、個人や団体がビットコインを採掘することに依存しているが、彼らはそれを行うための経済的インセンティブを持たなければならない。

ハッシュレートを提供することで、マイナーはブロック補助金を受け取り、採掘された各ビットコインブロックに対して取引手数料も受け取る。

しかし、そのブロック補助金は21万ブロックごとに半減するため、ビットコインの価格が上昇し続けるか、取引手数料が大幅に上昇するか、その両方の組み合わせが必要だ。

マイナーは現在、ブロックを採掘することで3.125BTCを受け取っており、これは現在約31万6950ドルに相当するが、2028年頃のブロック高1000050で1.625ビットコインに半減する予定だ。

ビットコインマイナーは、2024年初頭のビットコインオーディナルがブームとなった際に取引手数料の急上昇から大きな恩恵を受けた。しかし、ビットコインの分散型金融スペースとそこから派生するネットワーク活動への関心は、主に一過性のものであった。

5月に、ビットコインマイニングプールのviaBTCは、ビットコインのアプリケーションレイヤーが今後数十年にわたってビットコインマイナーに十分な補償を提供し続けるために開発され続けなければならないと コインテレグラフに説明した 。

最後のビットコインは2140年頃に採掘される予定だ。スーパー・テストネット氏によれば、ビットコインマイナーだけでは新しい、成功したビットコインハードフォークを引き起こすことはできない。

これは2016年と2017年のブロックサイズ戦争で見られたことで、約95%のビットコインマイナーがビットコインのスケーリングを可能にするためにブロックサイズ制限を引き上げようとしたが、ほとんどのノードオペレーターと投資家はこの変更を採用しないことを決定し、その後すぐに開発者はより多くのレイヤー2ソリューションを構築し始めた。

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