著者 松田康生（まつだやすお）楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

週末のビットコイン・カンファレンスはブレークスルーだった【仮想通貨相場】 image 0

ポイント

・69,000ドル台に上値を伸ばす

・ミシガン州公的年金がBTC ETF購入・民主党議員もゲンスラーSEC委員長解任求める

・ルミス議員・ケネディ候補がBTCの政府保有分の不買に加え新規購入訴え

・トランプ氏はSEC委員長解任、BTCの戦略備蓄、米国を暗号資産の首都にすると訴え

週末のBTC相場

週末のBTC相場は上値余地を探る展開。

69,000ドル（約1065万円）台に上伸後、一時66,000ドル（約1020万円）台に反落したが、今朝方69,000ドルを再トライしている。

先週初のバイデン氏撤退後もトランプ氏優位は揺るがないとの見方もあり68,000ドル台に値を伸ばしたBTCだったが、ハリス氏が支持を広げ「ほぼトラ」から「もしトラ」に後退、Mt.GOXによる弁済再開、ETHETFローンチ後のSell the Factなどから上値を重くし、木曜日には63,000ドル台まで値を下げた。

しかし、しかしマイナー大手マラソン社が1億ドル分のBTCを購入、ブラックロック社幹部が年内に大手金融機関のBTC ETF参入があるとの見通しを示し、ジャージ市の公的年金がBTC ETFを購入すると公表するなど、企業がBTCを購入するフレーズがいよいよ到来すると好感され、金曜日にはBTCは67,000ドル台に切り返した。

注目のBTCカンファレンスでは金曜日のセッション（日本時間土曜日）に推進派で共和党のシンシア・ルミス上院議員がBTCを外貨準備として百万BTC購入する法案を提示、続いて独立候補のロバート・ケネディJr氏も外貨準備としてBTCを1日550BTCずつ購入する方針を示すと、BTCは68,000ドル台に上昇、先週月曜日の高値を上抜け、69,000ドル台に値を伸ばした。

ETH ETFフローは相変わらず低調だったが、ミシガン州の公的年金がBTC ETFを購入していたことが判明したことも相場を後押ししたか。

土曜日のカンファレンスでは、ブローカー大手キャンター・フィッツジェラルド社がBTC担保融資ローンチを発表、また民主党議員がゲンスラー委員長の解任を含む暗号資産政策の転換を党本部に求めたが、トランプ氏の登壇を前にBTCはやや上値を重くした。

注目のトランプ氏の講演では、ゲンスラー委員長の解任、外貨準備でのBTC保有、米国は暗号資産の首都と表明。市場はSell the Factで一旦66,000ドル台に急落したが、市場の予想を上回る内容だったことで切り返すと、再び69,000ドルにワンタッチするなど乱高下を繰り返した。

その後、週末は67,000ドル台に一旦値を下げたが、今朝方は再び69,000ドルを窺っている。

本日のBTC相場

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