米国議会のメンバーは、証券取引委員会（SEC）と金融取引業規制機構（FINRA）が特別目的ブローカーディーラー（SPBD）要件を設定した際の議論の内容を知りたいと考えているようだ。彼らは、これらの組織と仮想通貨取引およびカストディサービスプロバイダーのプロメテウムが望ましくない前例を作っているのではないかと疑っている。

米下院金融サービス委員会のパトリック・マクヘンリー委員長とサブ委員会のビル・フイゼンガ氏、フレンチ・ヒル氏の3人の共和党員は、SECのゲーリー・ゲンスラー委員長に宛てた 手紙 の中で、48人の下院金融サービス委員会と農業委員会のメンバーによる3月26日の 照会 に対するSECの回答に不満を持っていると述べた。この照会は、イーサ（ETH）が商品ではなく証券として分類されること、およびプロメテウムがETHを保管するためにSPBDとしての意図についてのものであった。

ゲンスラー氏は3月26日の照会に対して「プロメテウムの将来の事業計画の詳細については知らない」と回答した。議員たちは、潜在的な前例について懸念を抱き、ゲンスラー氏に対して次のように述べた。

「プロメテウムのSPBD申請プロセスと最終的な承認の過程で、SECとFINRAがSPBDの許可された活動について話し合った可能性は高い」

したがって、議員たちは現在、プロメテウムのSPBD申請プロセス、許可されたSPBD活動、SPBDによって保管可能なデジタル資産証券、およびETHの規制上の分類に関してSECとFINRAの間で交換された全ての非公開通信および記録を要求している。回答期限は6月5日と設定された。

米議員、プロメテウスのETHカストディ認可に関するSEC-FINRAの記録を要求 image 0 The House Financial Services letter to SEC chair Gensler. Source: House Financial Services Committee

SECとFINRA（SECに登録されている自主規制機構）がルール制定に関して相談するのは珍しいことではない。プロメテウムは、5月17日に証券としてETHのカストディサービスを開始したが、その分類は依然として争れている。

マクヘンリー氏と下院農業委員会のグレン・トンプソン委員長は、「今週初め、プロメテウム・キャピタルが特定の選ばれたクライアント向けにETHのカストディサービスを「ソフトローンチ」したとの報告があった」として、「プロメテウムの『将来の事業計画』が現在の事業計画になった」ことによって、新しい手紙の作成と同時に、3月26日の手紙をゲンスラー氏に再提出して迅速な回答を 求めた 。

米議員、プロメテウスのETHカストディ認可に関するSEC-FINRAの記録を要求 image 1 Source: Financial Services GOP

プロメテウムは、2023年5月にFINRAからSPBDの承認を受けて以来、物議を醸している。同社のCEOであるアーロン・カプラン氏は、仮想通貨を既存の証券法の下で規制することを支持し、仮想通貨業界の多く人々の反感を買った。カプラン氏はコインテレグラフに対して、「プロメテウムは連邦証券法に準拠し、これらの法律の下で運営される最初のデジタル資産証券取引プラットフォームを作るために設計された」と語った。

6月には、仮想通貨ロビー団体のブロックチェーン協会が、プロメテウムに関連するSECの文書を求めて情報公開法の請求を行った。同協会の顧問弁護士であるマリサ・タシュマン・コッペル氏はその際に、「SECの強硬な執行の最中に、プロメテウムがデジタル資産証券のための初のSPBDとして承認を受けた。これは疑わしい...」とツイートした。

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